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衣料とクリーニング豆知識
衣料とクリーニング豆知識  |
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ちょっと待って!家庭でお洗濯する前に…
衣類には、家庭で洗えるものと洗えないものがあります。
家庭で洗う前に洋服に付いている「洗濯表示」をチェックしましょう。また、色移りを防ぐために白い物と色柄物を分けて洗いましょう。
洗濯表示マーク一覧
ポリウレタンコーティング製品の剥離
熱で収縮しやすく、時間を経れば脆く、べとつくようになる(経時劣化)性質を持つ同製品は、見た目は異常なくともクリーニングによって剥離することがよくあります。
ポリウレタンの製品寿命は、普通2〜3年で、長くて5年、これを消費者はご存知ないため、購入後数年経ってからクリーニングトラブルに遭遇します。
テンセルの外形変化
テンセルに限らず、薄起毛製品は起毛の乱れで色ムラ状になりやすいものです。
着用やクリーニングで衿、袖など摩擦を受けやすい箇所の色調が濃く見えるときは、起毛が脱色している場合もあります。テンセルは天然パルプを原料としていてレーヨンに似ていますが、レーヨンと違い、寸法安定性が優れたところもあります。
塩化ビニル系合成皮革の硬化
合成皮革は、塩化ビニル系やウレタン系、ナイロン樹脂を生地表面に塗布して天然皮革の銀面に似せてあります。 このうち塩化ビニル系のものは、ドライクリーニング溶剤で可塑剤が溶けて硬化したり、機械力でひび割れを生じたりします。そのため塩化ビニル系のものはウエットクリーニングにします。
プリーツの消失
絹のブラウスやワンピースの襟回りに総プリーツが施されている製品で、プリーツが垂直に垂れて広がる部分の折り山が甘くなるといったトラブルが時々あります。
総プリーツのスカーフも極めて扱いが難しく部分的なシミヌキは行えません。
絹や綿、レーヨンなど熱可塑性のない素材にこうした加工を行うこと自体が無理なことでしょう。
ニットのねじれ
ニットに使われる糸の撚りや編み方によっては、ねじれを起こす要因を潜在的に持っており、クリーニングでねじれが発現するものがあります。
単糸使いで天竺編みのものに発生しやすいようです。この現象は製品の欠点であり、クリーニングでは防ぎようがありません。
ボタン・ビーズの溶融・溶解
ボタンやビーズなどの副資材には各種の樹脂がよく使用されています。
樹脂のなかには熱に弱いものやドライクリーニング溶剤に弱いものがあり、溶解や溶融の恐れがあります。
熱に弱いボタンはナイロン、パール、アセチ、ABS・AS樹脂、スチロールボタンであり、ドライクリーニング溶剤に弱いのはパール、アセチ、ABS・AS樹脂、スチロールボタンです。しかし、衣服に付けられた付属物を一つ一つ、クリーニング前に耐熱性や耐溶剤性をチェックするのは至難です。
最近は主素材だけでなく、ボタンなどの副資材のトラブルが増えてきていて、製品化時点で耐熱性や耐クリーニング性を十分に吟味し、アフターケアを意識した繊維製品作りが望まれます。
スパンコールの変色
スパンコールの種類によっては、着用やクリーニングでの摩擦によって樹脂が剥離し、外観や光沢が変化し、また着用中の汗や酸・漂白剤などでアルミニウム変質したりドライクリーニング溶剤で溶解する樹脂もあります。
過度のスチームやアイロンは避ける注意が必要です。
ワイシャツの衿芯の収縮
Yシャツの芯地は高温洗浄・プレスで収縮が増加する傾向にあります。
これは使用されている接着剤にも影響され、ポリエチレン系の接着剤を用いたものは、同系のものより収縮度合いが大きくなります。但し接着強度自体はポリエチレン系の方がしっかりしています
パーマ液による変退色
パーマ液は一般に毛髪を軟化させる物質を含む第1液とそれを中和する第2液がありますが、両液とも漂白性のある物質で衣類に付着すると染料を変質させ変退色を起こします。
但し還元性が弱いので付着してもすぐには変化がおこらず、数ヶ月で脱色が現われてきます。
パーマ液は水に溶けますがドライクリーニング溶剤には溶けない性質があります。
化粧品による変退色
整髪料や香水など液状化粧品に含まれるアルコール化合物は、染料を溶かしやすいため衣服に付着すると染料が侵され、クリーニングで染料が流れ出て変退色を起こすことがあります。
パーマ液同様、水で濯ぎ出す必要があります。
腕時計によるワイシャツの袖口の破れ
腕時計の金属ベルトやブレスレットの金属イオンの付着が触媒となり、洗浄の際に使用する酸素系漂白剤を分解、綿を脆化して袖口の破損を呼ぶことがあります。
同じ現象は鉄サビの付着でも起こります。
白いシャツの黄ばみには
白いシャツが黄ばんできたら大きい鍋に水を入れ、洗剤を加えて煮洗いをしてみましょう。白い木綿のハンカチやフキンなども、煮洗いするときれいになります。火加減は煮立ってきたら弱火で30分。
Tシャツなどの色落ち防止
Tシャツの色落ちが心配な時は、目立たない端の方に水をつけ濡らしてみます。乾いた白い布でこすってみて色が落ちるようであれば、洗う30分ほど前に濃い塩水に浸けておきます。かなり色落ちを防ぐ事ができます
冬は静電気の季節です
冬になると空気が乾燥して起こりやすくなる静電気。髪がパサパサになったり、金属に触れると「パチッ」ときたり、服の着脱にもひと苦労ですね。静電気を防ぐための対策は色々ありますが、衣服による静電気は、洗った後に柔軟剤で仕上げることでかなり防ぐ事ができます。柔軟剤がなければ、洗剤のアルカリ性を中和するためのお酢とグリセリンを混ぜたものを注入すると、風合いも良くなり、静電気防止効果にもなります。
それでも気になる場合は、できるだ天然素材100%の衣類を着ると良いでしょう。異素材や化繊の重ね着は、静電気を誘発しやすいので避けることです。